【STORY】
2002年1月28日。その日の午前8時3分、高級住宅街チェスナットヒルの高校で13歳の少女マディソンが何者かに射殺される。一方ほぼ同じ時刻、荒廃した地区ノースフィリーの高校でも、15歳のアフリカ系少年スキルが何者かに射殺された。
そして現在。スキルの死に遭遇していたミラーは初めてマディソンの事件を知り、2つの事件に何か関係があったのではないかと疑う。ミラーはコールドケースの扉を開く。
ノースフィリーの情報屋トゥーミーは事件の前、麻薬密売の縄張りをめぐってスキルがチンピラに重傷を負わせ、祖父のもとに身を隠したと思い出す。一方、マディソンと撃たれる直前に会話を交わした友人マイケルは、マディソンの母親は夫が家を出て以来、女友達たちから避けられていたことやマディソンの家で覚醒剤が入った瓶を目撃したと証言。覚醒剤を売ったのはスキルかと思われたが、マディソンの母は娘と覚醒剤の関係を否定。やがてマディソンと同じ高校に通い、ドラッグを売っていたジビーは、マディソンに覚醒剤中毒者が集まる“ドラッグハウス”を紹介したと証言。だがそれはマディソンが、メタンフェタミンに溺れて家から消えた母シャーリーを捜していたからだった。そんなシャーリーは自分が更生施設に入れず娘が絶望したこと、メタンフェタミンを求めてみずから家を出たことを振り返る。スキルの祖父モーゼスは、スキルが売人をやめて高校に戻ったというが、女性教師ボイドはスキルを訪ねて白人少年が学校に来たと語る。その少年とはマイケルだった。彼は姿を消したマディソンを捜していたが、マディソンは母親を捜すのに疲れてメタンフェタミンを溺れていたと告白。実は当時、マディソンと出会ったスキルは彼女を励まし、お守りであるドリームキャッチャーを彼女にプレゼントしていた。
マディソンを殺した犯人は、売人をやめようと決めたスキルから357マグナム銃を買ったジビーで、マディソンから罵られたのが動機だった。また、スキルを殺した犯人は、今もドリームキャッチャーを持っていたトゥーミーだった。スキルが足を洗おうとしたことに対する怒りが動機だが、今や社会の成功者と失敗者に分かれたジビーとトゥーミーが、近い時刻に許されぬ愚行に手を染めた。それは単なる偶然だったのだろうか。
同じ頃、ヴェラはトニとのデートに遅れていまい、トニからやはり刑事とじゃ付き合えないといわれて落ち込むが……。
【今回の深読み】
近い時刻に異なる場所で起きた2つの殺人事件は関連が薄いようで、実はドラッグという共通項で結ばれていたという今回の「コールドケース」。スキルとマディソンというパッと見は共通項が無さそうな少年少女がドラッグで悩んだ結果、どちらも悲劇的運命を遂げたという、とても悲しいエピソードだ。
ドラッグの恐ろしさゆえ、2人の若者が結びついたと共に、それぞれ近い時刻に命を落としたという、希望と絶望が背中合わせになった展開。加えて犯人2人も、今や片や社会的に成功しているが、もう一方はストリートの過酷な現実から抜けられずにいるという二重構造がドラッグの問題の深刻さを捉えており、シリアスなテーマに真正面から向いた本作の姿勢にはあらためて感心させられる。
さてレギュラー陣を見渡すと、最近はちょっと影が薄かった感があったリリーが、犠牲者の1人マディソンの母親シャーリーが娘の苦悩に配慮できなかった点に怒ったのがリリーらしく、安心した。また、スキルが女性教師ボイドから教科書を読むよう指名されてうまく読めない場面(ボイドの態度がムカつく!)は、今も米国の一部の若者を苦悩させている現実であり、こうした描写をきちんと盛り込んだのは本作ならではだろう。
もっとも、ヴェラとトニの間の亀裂発生は心配。どうする、ヴェラ!?
【映画「スカーフェイス」のアル・パチーノ】
元ヤクの売人なのに今はスーツ姿で社会的ステイタスも高そうなのがめちゃくちゃ感じが悪いジビー(苦笑)が、ドラッグを売って成り上がったシンボルとして例に挙げる。この映画でキューバ移民のトニー(パチーノ)はドラッグの売人として成功しながら最後は自滅していくが、筆者が聞いた話によればトニーに共感した悪党が全米には大勢いるんだとか。でもジビーのように、小賢しく生き延びたヤツにエラそうにいわれても何だかなーと思う。皮肉としては上等だが。
【全曲U2】
今回のBGMは全曲、アイルランドが生んだ人気バンド、U2によるもの。古い曲もあれば新しい曲もあるが、今回取り上げたドラッグの問題が、根強い問題であることを遠巻きに示唆していると思ったのは筆者だけ?
2008.10.11|エピソードガイド|固定リンク|コメント(2)|トラックバック(0)
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今回もまたまたドラックですね。
どれだけ社会に浸透してるかと思うと怖くなります。
銃もそうです。
日本も人事では無くなってきていますね。
若い人の殺人が増えている事に不安を感じます。
投稿: 小紅 | 2008年10月27日 (月) 15時04分