海外ドラマNAVI

WEEKLY NEWS

COLUMN/REPORT

About コールドケースについて

Category カテゴリー

Writers プロフィール

池田敏
アメリカTV・映画ライター。映画誌「キネマ旬報」「SCREEN」やTV誌「TV TARO」に寄稿。最近40歳になりました。


12月13日(土)S4#23「ルイーズ」“The Good Death”

23 【STORY】
 1998年5月8日。ヘッジファンド・マネージャーとして成功したジェイは、かつて自分を採用しなかった会社を乗っ取り、即座に社長を解雇する。その態度は自信満々だ。しかし、ジェイは悪性脳腫瘍に冒され、病院のベッドで息を引き取る。
 そして現在。ホスピスの看護師ケニックが10年間に患者を6人も安楽死させた罪で逮捕される。他にも被害者がいないかどうか捜査が進む中、1998年にケニックが担当していたジェイの死に注目が。余命3か月を宣告されたジェイだが、モルヒネの数値が異常に高かったため、1か月も早く亡くなったらしい。リリーたちはコールドケースの扉を開く。

 一代で巨財をなしたジェイだが、腫瘍が見つかったのは遅すぎた。病院のベッドの枕元のノートには“ルイーズ”という一言があった。リリーとヴァレンズは拘置所のケニックを訪ねるが、ケニックはジェイ殺しを否定し、“ルイーズ”という言葉にも心当たりがなく、ジェイが妻キャロラインと口論していたと証言。現在のキャロラインは、夫が同じ病院に入院していた少女の母親、アメリアと対立していたこと、夫が何か幻覚を見ていたことを振り返る。アメリアはジェイの死の数日前に娘を失ったが、なぜかジェイが亡くなった日にも病院にいた。現在のアメリアは、病院にいたのは巨額の治療費の相談のためだったと弁明すると共に、ジェイが息子トミーに激怒していたことを思い出す。現在のトミーによれば、ジェイは仕事の相棒フィルとキャロラインの不倫に気づき、フィルが絶交される光景を見たという。現在のフィルはジェイが亡くなる直前、会社から大金を勝手に引き落としたことを証言。その金額はアメリアが困っていた治療費と同じ額だった。アメリアは自宅に来たジェイに余ったモルヒネを引き渡したことを認めつつ、トミーがジェイを迎えに来たという。そしてトミーは死が近づいた父親との会話を思い出す。“ルイーズ”とはジェイが幻覚で見た、かつて家族3人で過ごしたという海辺のモーテルの名前だった。キャロラインはジェイの思い出を否定するが、リリーの説得に折れ、思い出が事実だったと告白。
 犯人はキャロラインだった。弱ったジェイを見た彼女は彼と和解し、激痛に苦しむ彼から頼まれ、彼を楽にしてやったのだった。
 一方、リリーの母親エレンはどうしても断酒できず、再び酒を口にしてしまう。しかしリリーの気持ちに変化が……。

【今回の深読み】
 泣かされました、筆者は今回も。強欲な主人公が死を前に改心する物語はありがちと言えなくもないが、ミステリー性やレギュラー登場人物の魅力を絡めることで、「コールドケース」ならではの一編に仕上がっていた。海と浜辺という舞台が重要なのは第3シーズン第9話「ペンダント」を思い出させるが、あれも泣かせるエピソードだった。
 それでも深読みしないといけない訳だが、まず“安楽死”“尊厳死”に着目したあたりがユニークだ。筆者は米国の病院ドラマも色々と見ているが、そうした作品において医師たちの目標は患者の治療であるからか、“安楽死”“尊厳死”は取り上げられにくいことに気づいた。病院とホスピスの違い、と置き換えることもできる。ちなみに米国のオレゴン州では法律で安楽死が認められている。
 そして1998年だが、米国では折しもITバブルの全盛期だったはず。ジェイのような若手金融マンが羽振りを利かせた時代だったのだろう。そんなジェイですら最期には家族の愛を選んだ、それが筆者にはよく分かる。
 話はそれるが、筆者は今から10年位前、体のおかしくなった部分を町のお医者さんに見せに行ったところ、数秒後にそのお医者さんが大きな病院に電話をかけ、そこに即入院したという経験があるが、そこへお見舞いに来てくれた人たちに感謝はしたが、当時まだ独身だったので奥さんや子供たちのお見舞いがないのが素直に寂しかったことを今もよく憶えている。ちなみに同じ病室にはヤが付く自由業の方もいて、子分の方々(?)が続々とお見舞いに来る、そうした光景ですらアット・ホームに見えて、少々嫉妬してしまったほどだ。
 今回のラスト、夫や息子と思い出を作ったあのビーチに立つキャロラインは、一旦釈放されて裁判を待つ身なのかもしれないが、夫そして息子の愛を取り戻した彼女が幸福な余生を送れることを祈りたい。
 そしてリリーだが、母親エレンに対する心境の変化も終盤のキャロライン尋問シーンで明かされ、連続ドラマならではの見どころに。犯罪者を憎むのではなく、犯罪に巻き込まれて犠牲になった人々の心を救うという、本作の精神をあらためて見た思いだ。
 さて、次回「ロミオ」は第4シーズンの最終エピソード。おなじみの刑事たちに何か大事件が起きそうな気配? お見逃しなく!

2008.12.13|エピソードガイド|コメント(2)トラックバック(0)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/215580/43399063

この記事へのトラックバック一覧です: 12月13日(土)S4#23「ルイーズ」“The Good Death”:

コメント

今回のエピソードは号泣でした(:_;)
ジェイが見た幻覚が家族の幸せな1週間で本当に良かった!!
戦い続けた人生だけど最後の最後で愛し愛され眠りにつく。
涙なしには見れないっす。

投稿: みるく | 2008年12月14日 (日) 00時48分

 今回のコールドケースには泣かされました。最初のジェイはとにかく嫌な奴だという印象があったが最後に和解した時にはすっかり消えていました。夫婦の固い絆に、
病魔にも負けてほしかった。

投稿: illeminati | 2009年3月 8日 (日) 18時02分

コメントを書く

   

New 最新の記事

Archibe 過去の記事

Comment 最新コメント

ジーン
on 11月7日(土)S5#18「幻」“Ghost of My Child”
マック娘
on 11月7日(土)S5#18「幻」“Ghost of My Child”
TheBeach
on 10月31日(土)S5#17「ロープ」“Slipping”
ジーン
on 10月31日(土)S5#17「ロープ」“Slipping”
マック娘
on 10月31日(土)S5#17「ロープ」“Slipping”

Others 関連情報

コールドケース関連

  • ザ・ソプラノズ 2ndシーズン 哀愁のマフィア コレクターズBOX
  • ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア サード・シーズン コレクターズ・ボックス
  • ザ・ソプラノズ哀愁のマフィア (フォース・シーズン) コレクターズ・ボックス
  • ジョーイ〈ファースト〉セット2(DISC4~6)
  • ジョーイ〈ファースト〉セット1(DISC1~3)
ブログ:ココログ

「コールドケース:ブログ」は@niftyのウェブログ(blog)サービス「ココログ」で運営しています。
あなたもココログ始めてみませんか?ココログ(フリー)は、だれでも無料でご利用いただけます。

【ココログって何?】
【ココログ使い方ガイド】
RSS