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池田敏
アメリカTV・映画ライター。映画誌「キネマ旬報」「SCREEN」やTV誌「TV TARO」に寄稿。最近40歳になりました。


12月6日(土)S4#22「コンテナ」“Torn”

22blog 【STORY】
 2005年5月20日。フィラデルフィア港の埠頭で談笑する湾岸労働者たち。そのうちの1人マイクは、いつかマイアミに引っ越す夢を仲間に語る。仲間たちと別れたマイクは1つのコンテナの様子がおかしいと思って中を覗くが、そこには怯えて震える大勢の女性が。1人の少女が弱っているのを見たマイクは、彼女を抱えてコンテナの外へ。だが翌月、マイクは何者かに殺されてしまう。
 そして現在。港で身元不明の女性の遺体が見つかる。東欧系で、足の裏をタバコで焼く手口から、ロシア系人身売買組織のボス、ナチャルニクのしわざと見られる。トマス検事補は似たようなコールドケースをナチャルニク逮捕の糸口にしたいといい、スティルマンは05年に殺されたマイクを思い出す。マイクの足の裏にもタバコが押し付けられた跡が。リリーたちはコールドケースの扉を開く。

 マイクが密入国を黙認してリベートを受け取っていた可能性が疑われる一方、現場監督のロイはマイクが善人だったといい、孤児であるマイクはコンテナにいた15歳の孤児リナの面倒を見ようとしていたと振り返る。リナがビザを取得できないか、マイクから相談を受けたウクライナ・コミュニティ・センターの女性ボイカは、リナがマイクのもとから逃げたといい、リナが最後にキリルという男に電話していたと思い出す。現在のキリルは自分がナチャルニクの運転手で、リナをパール通りの売春宿に連れて行ったこと、マイクがリナを探していたと振り返る。やがて当時パール通りの売春宿で働かされていた女性カテリーナが浮上。今はネイルサロンを経営しているカテリーナは、マイクがリナに会えるよう手引きしたと認める。ついにナチャルニクの正体が、何とボイカだと分かる。しかしボイカはマイク殺しを否定。やがてマイクの船がコネチカットで見つかるが、現在の船のオーナーは訛りがある女性から船を買ったといい、リナの犯行である可能性が浮かぶ。リリーに見つけられた現在のリナは、マイクが自分でなくカテリーナを選んだと証言する。
 マイクを殺した犯人はカテリーナだった。マイクのリナに対する愛情に嫉妬し、しかもマイクに拒まれたのが動機だった。
 一方、リリーは倒れた母親エレンを見つけてショックを受ける。病院に担ぎ込まれたエレンは肝硬変の末期であることが分かり……。

【今回の深読み】
 前回お伝えした通り、「アンタッチャブル」「ブラック・レイン」、最近だと「オーシャンズ13」にも出ていた人気俳優、アンディ・ガルシアが監督をつとめた今回の「コールドケース」。
 東欧女性の人身売買がテーマで、事件そのものはフィクションと思われるが、そうした背景は実際に大きな社会問題になっている。以前WOWOWが放送した英国産ミニ・シリーズ「セックス・トラフィック」を思い出した人も多いだろう。貧しい東欧女性たちが英国などに売られていく現実は余りに厳しく、とても気が重くなったことを筆者は憶えている。ロシア系マフィアの台頭共々、アップ・トゥ・デートな題材で、古い事件を描く当番組としては珍しい例だが、いま虐待されている女性たちを救いたいという、この番組の強い姿勢を感じた。それにしても、これが地上波で放送された米国って凄いよ!
 さて、ガルシアがどういう経由で今回監督したか、筆者はまだ調べていないが、彼としては子供時代、キューバ難民だった自分を重ね合わせられたからではないか。彼の一家は革命が起きたキューバを逃れ、船に乗って米国のマイアミに渡り、まだ子供だったガルシアも汚れ仕事で生計を立てたとか。マイクが熱いキャラとして描かれている点に、熱いラテン系=ガルシアの演出を感じた。
 さて刑事陣では、リリーの母親が引き続いて心配。そしてヴァレンズは、検事補トマスと引き続いて仲が悪いと思いきや、いきなりアターック(笑)って分かりやす過ぎ。それでもラスト、“解決”と書いた箱の下の箱、“DOE,J(身元不明の女性に付けられる名前、ジェーン・ドゥのこと)”を見てやり切れない気持ちになったが、いつか変わるのか。
 それと今回も“男の中の男”、スティルマンに筆者は感激。“俺は港をよく知っている”なんて、筆者も死ぬまでに1度は言ってみたい(笑)。年齢からいってもマーロン・ブランドが主演した映画「波止場」のようにワイルドな世界にいたんでしょう、恐らく。

【カテリーナ役のヘレナ・マッツォン】
 美人だなぁと思って俳優データの宝庫、IMDbで調べたら、1985年スウェーデン生まれで、19歳の時に渡米したとのこと。それから3つの「CSI」すべてなど多数のTVにゲスト出演。美人を只キャスティングしただけでなく、そんな経歴が東欧(かロシア)から米国に渡ったカテリーナ役にふさわしかったからでは?

2008.12. 6|エピソードガイド|コメント(2)トラックバック(0)

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コメント

ボイカ=通称ナチャルニク役のおばはんが怖かったキリル役の吹き替えはホレ様でおなじみの石塚運昇さんでしたね。悪い役なのにホレ様のキメ台詞に聞こえてしまいましたsmile

投稿: ぎっちょ | 2008年12月 7日 (日) 15時06分

「蓄音機」と「コンテナ」の原題が同じになってるみたいだけど・・・

投稿: チョット | 2008年12月11日 (木) 09時11分

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