【STORY】
2006年10月17日。オハイオ州からフィラデルフィアに引っ越してきて、新居で荷解きをするジャコビ家の4人。コンピューター・プログラマーである父親アダムは失業中だが、それでも彼の妻エミリーは子供たちに“これから楽になるわよ”と約束する。そんなアダムとエミリー、長男ステュアートという3人が、何者かに射殺されてしまった……。
そして現在。当時はアダムによる無理心中と考えられたが、只独り一命を取り留めたが頭を撃たれて昏睡状態にあった長女キムが事件から5か月後、意識を取り戻す。事件を断片的にしか憶えていないキムだったが、アダムではない別人が犯人であること、そしてなぜか犯人がキムを撃つ前、“永遠に、ロミオ”と口にしたことを思い出す。ロミオとは誰なのか。その時ジャコビ家にいたのか。リリーたちはコールドケースの扉を開く。
ジャコビ家の隣人の証言によれば、アダムはキムのボーイフレンドに激怒していたという。そこでキムの高校の同級生だったリックが怪しいと睨まれるが、現在のリックはキムとは付き合っていなかったと主張。また、キムのPCを分析すると、キムが当時ストーカーとチャットしていた可能性が浮上し、相手の名前はロミオだったらしい。キムの別の記憶が新たに甦る。両親の夫婦ゲンカの最中、家のバスルームにいたキムにロミオから電話がかかってきて、キムが窓から見たロミオの背後にはレーザー銃の光があったという。光はステュアートと隣の少年ジェフがゲームで遊んでいたものだったが、現在のジェフはストーカーがジャコビ家の中にまで侵入していたこと、チャットをしていたのが実は母親エミリーだったことを明かす。そして事件の当夜、キムの携帯から電話を受けていたリックは真実を明かす。その夜ジャコビ家では、家族に絶望したキムが銃を取り出していたという。しかし現在のキムは殺人課での事情聴取で、キムを追い詰めたことを反省した両親が家族としてやり直そうと決意した直後、ストーカーがジャコビ家を訪れた……と証言するいなや、この5か月間キムの看護助手だった男性、エドが拳銃を手にして殺人課に押し入る。
犯人は、キムが自分を愛していると誤解したエドだった。警察の狙撃手に撃たれたエドはスティルマンを撃つが、リリーはそんなエドを説得してキムを解放させる。しかし、ヴァレンズの銃がエドを撃ち抜く直前、エドが撃った銃弾はリリーの体を貫いていた……。
一方、リリーの母親エレンは突然亡くなってしまう。母親にさよならすら言えなかったことを激しく後悔するリリーだが……。
【今回の深読み】
「コールドケース」第4シーズン最終回となった今回は終盤、犯罪者が拳銃を手に、フィラデルフィア市警に乗り込んでくるという壮絶なクライマックスに。銃で撃たれたリリー、そしてスティルマンの運命は……。あるシーズンの結末が次のシーズンの始まりにつながるという、TVドラマ用語でいうところの“クリフハンガー”で幕を閉じた。
正直いうと、さすがにリリーは死んでいないと思うが(リリーがいない「コールドケース」なんて!)、彼女を悩ませた母親ヘレンの他界と共にリリーがこれから過去を引きずらないかファンとしてやや心配。また男の中の男、スティルマンの傷は雰囲気からして重傷ではないようだが、ちょっとおトシなので(←失礼)、気にならないといえば嘘だ。
そんなこんなでファンは第5シーズンをあれこれ期待したり予想しながら待つしかないが、今まで全話を見てきた筆者としてはこの第4シーズン、ジョジーという新たな女性刑事が現れながら、なぜかすぐに消えちゃったりした第3シーズンに比べると各エピソードはバラエティ豊かかつ粒揃いで、第1・2シーズンの高いレベルに戻ったと感じた。これはあくまでも筆者の意見だが、筆者の個人的ベスト5エピソード、「ビデオカメラ」「義手」「熱帯魚」「ホタル」「ルイーズ」など、この番組ならではという傑作エピソードも多く、リリーのトラウマの原因である彼女の母親がきちんと描かれたというのも大きな見どころとなった。「蓄音機」という番組史上最も古いコールドケースを取り上げた、その野心も忘れがたい。継続こそ力なりと示した、そんな本作にあらためて感謝したい。
あっ、このブログの第3シーズンで間違えていた部分の修正ですが、年明け一発目にWOWOWのご担当に修正をお願いしますので、もう少々お待ちください(すみません)。
それでは「コールドケース」ファンの皆様、よい新年をお迎えください。そしてまた、お会いできる日まで……。
【ロミオよ、ロミオ。あなたはどこにいる?】
ヴェラがこう呟く場面は、もちろんシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の名台詞になぞらえたものだ。そこでヴェラは謎の人物のハンドルネーム“モンタギュー01”は、ロミオの家、モンタギュー家にちなむと推測する。
2008.12.20|エピソードガイド|固定リンク|コメント(2)|トラックバック(0)
【STORY】
1998年5月8日。ヘッジファンド・マネージャーとして成功したジェイは、かつて自分を採用しなかった会社を乗っ取り、即座に社長を解雇する。その態度は自信満々だ。しかし、ジェイは悪性脳腫瘍に冒され、病院のベッドで息を引き取る。
そして現在。ホスピスの看護師ケニックが10年間に患者を6人も安楽死させた罪で逮捕される。他にも被害者がいないかどうか捜査が進む中、1998年にケニックが担当していたジェイの死に注目が。余命3か月を宣告されたジェイだが、モルヒネの数値が異常に高かったため、1か月も早く亡くなったらしい。リリーたちはコールドケースの扉を開く。
一代で巨財をなしたジェイだが、腫瘍が見つかったのは遅すぎた。病院のベッドの枕元のノートには“ルイーズ”という一言があった。リリーとヴァレンズは拘置所のケニックを訪ねるが、ケニックはジェイ殺しを否定し、“ルイーズ”という言葉にも心当たりがなく、ジェイが妻キャロラインと口論していたと証言。現在のキャロラインは、夫が同じ病院に入院していた少女の母親、アメリアと対立していたこと、夫が何か幻覚を見ていたことを振り返る。アメリアはジェイの死の数日前に娘を失ったが、なぜかジェイが亡くなった日にも病院にいた。現在のアメリアは、病院にいたのは巨額の治療費の相談のためだったと弁明すると共に、ジェイが息子トミーに激怒していたことを思い出す。現在のトミーによれば、ジェイは仕事の相棒フィルとキャロラインの不倫に気づき、フィルが絶交される光景を見たという。現在のフィルはジェイが亡くなる直前、会社から大金を勝手に引き落としたことを証言。その金額はアメリアが困っていた治療費と同じ額だった。アメリアは自宅に来たジェイに余ったモルヒネを引き渡したことを認めつつ、トミーがジェイを迎えに来たという。そしてトミーは死が近づいた父親との会話を思い出す。“ルイーズ”とはジェイが幻覚で見た、かつて家族3人で過ごしたという海辺のモーテルの名前だった。キャロラインはジェイの思い出を否定するが、リリーの説得に折れ、思い出が事実だったと告白。
犯人はキャロラインだった。弱ったジェイを見た彼女は彼と和解し、激痛に苦しむ彼から頼まれ、彼を楽にしてやったのだった。
一方、リリーの母親エレンはどうしても断酒できず、再び酒を口にしてしまう。しかしリリーの気持ちに変化が……。
【今回の深読み】
泣かされました、筆者は今回も。強欲な主人公が死を前に改心する物語はありがちと言えなくもないが、ミステリー性やレギュラー登場人物の魅力を絡めることで、「コールドケース」ならではの一編に仕上がっていた。海と浜辺という舞台が重要なのは第3シーズン第9話「ペンダント」を思い出させるが、あれも泣かせるエピソードだった。
それでも深読みしないといけない訳だが、まず“安楽死”“尊厳死”に着目したあたりがユニークだ。筆者は米国の病院ドラマも色々と見ているが、そうした作品において医師たちの目標は患者の治療であるからか、“安楽死”“尊厳死”は取り上げられにくいことに気づいた。病院とホスピスの違い、と置き換えることもできる。ちなみに米国のオレゴン州では法律で安楽死が認められている。
そして1998年だが、米国では折しもITバブルの全盛期だったはず。ジェイのような若手金融マンが羽振りを利かせた時代だったのだろう。そんなジェイですら最期には家族の愛を選んだ、それが筆者にはよく分かる。
話はそれるが、筆者は今から10年位前、体のおかしくなった部分を町のお医者さんに見せに行ったところ、数秒後にそのお医者さんが大きな病院に電話をかけ、そこに即入院したという経験があるが、そこへお見舞いに来てくれた人たちに感謝はしたが、当時まだ独身だったので奥さんや子供たちのお見舞いがないのが素直に寂しかったことを今もよく憶えている。ちなみに同じ病室にはヤが付く自由業の方もいて、子分の方々(?)が続々とお見舞いに来る、そうした光景ですらアット・ホームに見えて、少々嫉妬してしまったほどだ。
今回のラスト、夫や息子と思い出を作ったあのビーチに立つキャロラインは、一旦釈放されて裁判を待つ身なのかもしれないが、夫そして息子の愛を取り戻した彼女が幸福な余生を送れることを祈りたい。
そしてリリーだが、母親エレンに対する心境の変化も終盤のキャロライン尋問シーンで明かされ、連続ドラマならではの見どころに。犯罪者を憎むのではなく、犯罪に巻き込まれて犠牲になった人々の心を救うという、本作の精神をあらためて見た思いだ。
さて、次回「ロミオ」は第4シーズンの最終エピソード。おなじみの刑事たちに何か大事件が起きそうな気配? お見逃しなく!
2008.12.13|エピソードガイド|固定リンク|コメント(2)|トラックバック(0)
【STORY】
2005年5月20日。フィラデルフィア港の埠頭で談笑する湾岸労働者たち。そのうちの1人マイクは、いつかマイアミに引っ越す夢を仲間に語る。仲間たちと別れたマイクは1つのコンテナの様子がおかしいと思って中を覗くが、そこには怯えて震える大勢の女性が。1人の少女が弱っているのを見たマイクは、彼女を抱えてコンテナの外へ。だが翌月、マイクは何者かに殺されてしまう。
そして現在。港で身元不明の女性の遺体が見つかる。東欧系で、足の裏をタバコで焼く手口から、ロシア系人身売買組織のボス、ナチャルニクのしわざと見られる。トマス検事補は似たようなコールドケースをナチャルニク逮捕の糸口にしたいといい、スティルマンは05年に殺されたマイクを思い出す。マイクの足の裏にもタバコが押し付けられた跡が。リリーたちはコールドケースの扉を開く。
マイクが密入国を黙認してリベートを受け取っていた可能性が疑われる一方、現場監督のロイはマイクが善人だったといい、孤児であるマイクはコンテナにいた15歳の孤児リナの面倒を見ようとしていたと振り返る。リナがビザを取得できないか、マイクから相談を受けたウクライナ・コミュニティ・センターの女性ボイカは、リナがマイクのもとから逃げたといい、リナが最後にキリルという男に電話していたと思い出す。現在のキリルは自分がナチャルニクの運転手で、リナをパール通りの売春宿に連れて行ったこと、マイクがリナを探していたと振り返る。やがて当時パール通りの売春宿で働かされていた女性カテリーナが浮上。今はネイルサロンを経営しているカテリーナは、マイクがリナに会えるよう手引きしたと認める。ついにナチャルニクの正体が、何とボイカだと分かる。しかしボイカはマイク殺しを否定。やがてマイクの船がコネチカットで見つかるが、現在の船のオーナーは訛りがある女性から船を買ったといい、リナの犯行である可能性が浮かぶ。リリーに見つけられた現在のリナは、マイクが自分でなくカテリーナを選んだと証言する。
マイクを殺した犯人はカテリーナだった。マイクのリナに対する愛情に嫉妬し、しかもマイクに拒まれたのが動機だった。
一方、リリーは倒れた母親エレンを見つけてショックを受ける。病院に担ぎ込まれたエレンは肝硬変の末期であることが分かり……。
【今回の深読み】
前回お伝えした通り、「アンタッチャブル」「ブラック・レイン」、最近だと「オーシャンズ13」にも出ていた人気俳優、アンディ・ガルシアが監督をつとめた今回の「コールドケース」。
東欧女性の人身売買がテーマで、事件そのものはフィクションと思われるが、そうした背景は実際に大きな社会問題になっている。以前WOWOWが放送した英国産ミニ・シリーズ「セックス・トラフィック」を思い出した人も多いだろう。貧しい東欧女性たちが英国などに売られていく現実は余りに厳しく、とても気が重くなったことを筆者は憶えている。ロシア系マフィアの台頭共々、アップ・トゥ・デートな題材で、古い事件を描く当番組としては珍しい例だが、いま虐待されている女性たちを救いたいという、この番組の強い姿勢を感じた。それにしても、これが地上波で放送された米国って凄いよ!
さて、ガルシアがどういう経由で今回監督したか、筆者はまだ調べていないが、彼としては子供時代、キューバ難民だった自分を重ね合わせられたからではないか。彼の一家は革命が起きたキューバを逃れ、船に乗って米国のマイアミに渡り、まだ子供だったガルシアも汚れ仕事で生計を立てたとか。マイクが熱いキャラとして描かれている点に、熱いラテン系=ガルシアの演出を感じた。
さて刑事陣では、リリーの母親が引き続いて心配。そしてヴァレンズは、検事補トマスと引き続いて仲が悪いと思いきや、いきなりアターック(笑)って分かりやす過ぎ。それでもラスト、“解決”と書いた箱の下の箱、“DOE,J(身元不明の女性に付けられる名前、ジェーン・ドゥのこと)”を見てやり切れない気持ちになったが、いつか変わるのか。
それと今回も“男の中の男”、スティルマンに筆者は感激。“俺は港をよく知っている”なんて、筆者も死ぬまでに1度は言ってみたい(笑)。年齢からいってもマーロン・ブランドが主演した映画「波止場」のようにワイルドな世界にいたんでしょう、恐らく。
【カテリーナ役のヘレナ・マッツォン】
美人だなぁと思って俳優データの宝庫、IMDbで調べたら、1985年スウェーデン生まれで、19歳の時に渡米したとのこと。それから3つの「CSI」すべてなど多数のTVにゲスト出演。美人を只キャスティングしただけでなく、そんな経歴が東欧(かロシア)から米国に渡ったカテリーナ役にふさわしかったからでは?
2008.12. 6|エピソードガイド|固定リンク|コメント(2)|トラックバック(0)