2007年8月12日。ブレンダとデヴィッドの婚約を祝うパーティの会場。友人たちはビデオカメラに向かって2人へのメッセージを語りかける。幸せいっぱいのブレンダは、30年後に2人は介護ベッドで孫たちに囲まれているだろうとカメラに話す。その背後で、駐車場にライトを消し忘れた車があるという声が。ブレンダの車らしく、彼女はデヴィッドにキスすると駐車場へ。しかし彼女は会場に戻らず、心配したデヴィッドが探すと、駐車場には彼女のブーケが落ちていた。そしてそれには真っ赤な血が……。
数か月後の現在。ウエストヴァージニア州からフィラデルフィア市警に、ブレンダが失踪した際に駐車場で目撃された車が盗難車として発見されたという連絡が。すでにブレンダは殺された後かもしれないが、まずは盗難車を運転していた容疑者を取り調べなければならない。ブーケについた血も容疑者のものだ。車でウエストヴァージニアに行って帰ってくるのに一晩はかかりそうだが、まずリリーが、そしてヴァレンズが護送役に志願。リリーたちはコールドケースの扉を開く。
ウエストヴァージニアの警察に到着したリリーたちは容疑者ジョン・スミスを引き取り、帰りの車内で事情聴取を開始。しかしスミスはリリーがケンジントン生まれなのか尋ねるなど、リリーたちを挑発。そんなスミスはブレンダのことを熟知しているように振る舞って彼女を油断させた上、彼女を誘拐したと自白するが、性的な目的は無かったという。デヴィッドによれば、ブレンダはパーティ用に自分たちの思い出を集めたビデオを準備していた。また盗難車がニューアークの町で駐車違反を重ねていたと分かり、ヴェラとミラーは現地へ。ある建物を怪しいと睨んだ2人が突入すると、人間を監禁するためと思しき地下室が見つかる。しかしブレンダの姿は見当たらない。スミスがやたらとブレンダについて詳しいことから、彼が思い出ビデオを見ていた可能性が浮上する。
調べると、スミスがビデオ編集会社に勤務してブレンダたちのビデオを見ていたこと、そしスミスが1年毎に都市から都市へと転職していること、各都市で1人ずつ女性客が失踪していることが分かる。スミスは5つの都市の5つの地下室で、5人の女性を監禁していた。しかしニューアークで見つかった遺体はブレンダでなく、以前スミスに誘拐された1人だった。ミラーはこれまで犠牲者たちを映したビデオを見比べ、彼女たちにはいずれも“心の支え”があったと気づく。ついに怒りが爆発したヴァレンズは車を停め、力づくでスミスからブレンダの居場所を聞き出そうとするが、スミスはあっさりと少し先の森の中に隠したと証言。リリーたちがスミスを連れて向かうと、そこには干乾びた井戸が。子供の頃、そこで溺れていた女性を見殺しにして以来、スミスは“心の支え”を失った女性に異常な関心を寄せるようになった。
だがリリーは、ブレンダが最後に口ずさんでいたというメロディをスミスから聞き、ひらめく。“悲しみと恐れを追い払い、道を照らせ”。それはケンジントンの教会の鐘が毎朝奏でる歌だった。ブレンダの心はまだ折れていなかった。リリーはケンジントンに急行し、教会の近くの建物の地下室で、まだ生きていたブレンダを発見。ブレンダは再会したデヴィッドと強く抱き合うのだった……。
【今回の“深読み”】
今回はいつものパターンから飛び出した「コールドケース」。最後に犯人が分かるのではなく、先に犯人が自白した上、まだ生きているかもしれない被害者を探すというサスペンス感重視の構成で、これはこれで楽しめた。
原題は“The Road(道)”。これはリリーたちがスミスを護送した道(真っ暗だったのが実に象徴的)であると同時に、事件解決の糸口となった歌の一部、“道を照らせ”の“道”であるのが巧い。誰もが胸に抱く“心の支え”に懐疑的なスミスは、恐らく神も信じていないのだろう。だからこそ、ブレンダが口ずさんだのが教会の歌であると気づかず、リリーに逆転されてしまった。今回リリーが、苦手なはずの“森”(第2シーズンを思い出そう)でがんばったのもファンには嬉しかった。
さらに深読みすると、スペルは異なるが、The RoadはThe Load(神)と似ているのが興味深い。theがつかないLoadには権力者・主人という意味もあって、それはスミスが被害者たちを利用してなろうと野望を抱いたものだったかも。
そして今シーズン第8話「ゲーム」に続いて連続殺人事件が題材だったのも見もの。特に今回は複数の州で事件が発生し、あと数時間で「クリミナル・マインド」でおなじみのBAUが駆けつけていただろう(多分=笑)。しかし、殺人課の面々はそれぞれ奮闘し(地下室を見たスティルマンが「捕虜収容所のようだ」と言ったのはさすが戦場帰り)、FBI到着の前に(?)事件を解決。ここまでホッとさせられた結末は第4シーズン第8話の「ホタル」以来か。
不気味な名前のジョン・スミス(後述)がなぜこんな性格になったかという背景こそ見えないが、やるべきことをやったリリーたち(例によってヴァレンズは荒っぽすぎたが結果的にOK?)に拍手を送りたいエピソードだった。今シーズンはあと残り3話。引き続いて楽しみたい!
【ジョン・スミス】
英語圏で最もよくある名前の1つ。それが転じて日本でいう“名無しの権兵衛”的な使われ方をされる。殺人課の資料箱に書かれた身元不明の犠牲者、John Doe(男性)とJane Doe(女性)もそう。だからこそ本作の犯人には、まさに得体の知れない怖さがあった。
【ニューアーク】
日本人にとってはニュージャージー州にある空港が思い出されるが、実は全米各地にある地名。フィラデルフィアにも実在する。
【BGM1曲目を歌ったRihanna(リアーナ)】
お気づきの方も多いだろうが、前話「ピアノ」で最初にかかったBGM“SOS”も歌姫リアーナの曲だった。2話連続で1曲目が同じアーティストの曲だったのは番組史上初!
2009.10.18|エピソードガイド|固定リンク|コメント(4)|トラックバック(0)
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この記事へのトラックバック一覧です: 10月17日(土)S5#15「地下室」“The Road”:
こんにちは。
池田さんの仰っているロードは、Lordのスペルではないでしょうか?
細かいことなのですが、気になってしまいましたので。
すみません。
ブレンダは無事で本当によかったです。
最後にデヴィッドと抱き合ったシーンが感動的でした。
投稿: Anne | 2009年10月18日 (日) 08時40分
>Anneさん
申し訳ありません、おっしゃる通り、
>The Load(神)
でなく、The Lord(神)ですよね。
かなりの凡ミスで恥ずかしいです!
ごめんなさい!
投稿: 池田敏 | 2009年10月20日 (火) 01時51分
とても非現実な内容とは思えない。どうしたら、あんな大人の男になるのか?それに、誰一人、そんなことに気が着かずにいたのだろうか?こういう男、世界中にいる。
コールドケースをファーストシーズンから、見ているが、被害者が生きていたエピソードは珍しい。シーズンに1・2話はこんなエピソードがあってもいいなあ…と思う。
投稿: マック娘 | 2009年10月24日 (土) 02時22分
今回は…いつものパターンと違い…。
不気味な犯人‘ジョン・スミス’(本名は!?)〓吹替が、大好きな平田さんなので…複雑な…か ん じ(-"-;)
ブレンダ生きてて良かった。
投稿: ジーン | 2009年10月18日 (日) 00時18分